2019年12月20日

2019年12月20日

(映画)国家が破産する日(原題:국가부도의 날)

わざわざ劇場に足を運んでみた作品。
なんとなんと、とても面白くいい意味で期待を大きく裏切られた映画。(平日の夕方だったけど、スタートが早かったこともあり、劇場はスカスカだったけど...)
1997年の韓国の通貨危機の裏側を描いた作品。IMF支援を受け入れたことで得たものと失ったものは何だったのか、をしみじみと再度考えさせられた。

原題:국가부도의 날
公開:2018年11月(韓国)※日本公開はほぼ1年遅れ
監督:チェ・グクヒ
脚本:オム・ソンミン
主演:キム・ヘス、ユ・アイン、チョ・ウジン、ホ・ジュノ
お薦め度:☆☆☆☆
ジャンル:経済、社会派
字幕:福留友子
http://kokka-hasan.com/



金融業界で働いていたので、「マネーショート(原題:The Big Short)」とかハゲタカシリ―ズが大好き。本作もまさにスタイルど真ん中の映画ということもあり、純粋に嵌ってみれた。
映画なので、脚色されている部分はあると思うけど、きっと裏側はこうだ、と容易に納得できた。起こっている通貨危機の裏側で4人の主要人物がとった行動が、まさに社会の縮図だろう。結局国家や大組織の前で正義を貫くことの難しさ、知識のない持たざるものがバカを見る世界の現実をまざまざと見せつけられた気がした。

映画のほぼエンディングで、ユ・アイン演じる危機に乗じ大儲けして投資会社のCEOが「この国は20年経っても何も変わっていない」と吐き捨てるようにいうのが、今の韓国の現状に対する皮肉のようにも聞こえた。対する主役のキム・ヘス演じる韓国銀行の通貨チーム長(日本だと、日銀の通貨局課長って感じかな)は通貨危機の最初から、クロ―ジングまで純粋に「国の為、国民の為」と正義を貫くけど、巨大組織と国家権力の前ではなすすべもなく、破れさってしまう。でも20年後に去った組織の後輩(ハン・ジミン)が再び同じ危機が起ころうとしているから、助けてくれ、と助けを求めてやってくる。それに対し「二度は負けない!」といって行動を起こすところで、映画は本当にエンディング。
希望を持たせるようなエンディングといい、内容は暗かったけど清々しい終わり方だったと思う。

映像翻訳の学校も始まり、最近は「字幕の勉強」という視点でもドラマ、映画をみるようになってる。本作の字幕担当は、福留友子さん。
来春公開のエクストリームジョブ(原題:극한직업/極限職業)の字幕も担当されている。
http://klockworx-asia.com/extremejob/

たまたま今、Unextで見始めた「王は愛する」の字幕で彼女の名前を知って、ネットで検索して映画に辿りつき、彼女の翻訳した作品が見たくて、というのも実は本作を見に行った理由のひとつ。
映像翻訳は産業翻訳と違って、意訳が当たり前で、勉強し始めた当初は韓国語の語学力がネックだったけど、最近はそれより日本語力でアウトプットに差がつくことをしみじみ感じてる。






stellaombra at 10:52|PermalinkComments(0)韓流 | キム・ヘス