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2021年01月06日

(映画)二人の教皇(原題:The Two Popes)

 制作、配給共にNetflix!2020年のアカデミー賞にジョナサン・プライス(主演男優賞)、アンソニー・ホプキンス(助演男優賞)でノミネートと賞の受賞は逃したものの、話題性に加えクオリティの高さを証明した形。それほど期待して見始めたわけではないけど、見ていると自然に引き込まれ、最近(半ば義務感のように見ている韓国映画と違い)ほぼ一気見視聴ができた。

原題:The Two Popes
公開:2019年
監督:フェルナンド・メイレレス
脚本:アンソニー・マクカーテン、フランク・コットレル=ボイス
主演:ジョナサン・プライス、アンソニー・ホプキンス
お薦め度:☆☆☆☆
ジャンル:ドラマ
 
 

 ベネディクト16世とそのあとを継いだフランシスコを扱った映画。とはいえ、ベネディクト16世が退位前にフランシスコと会った史実もないので、フィクションなんだけど、教皇選出の仕組み(コンクラーベ)など、映画「天使と悪魔」でも見たことがあり、史実に即した描写も多く、歴史の勉強気分で引き込まれながら鑑賞。特に、コロナで海外に行けないので、バチカンやシスティーナ礼拝堂、サンピエトロ広場等、また行きたいと思わせられる観光地が出てくるので、気持ちはイタリアにトリップ状態にさせられてしまった。(コロナが落ち着いたらヨーロッパにまた行きたい!!!!!)
 改めてすごいなあと思ったのは、教皇はラテン語、イタリア語、英語、母国語と最低4カ国語は使えるということ。これってほんとすごいなあと。映画でもスペイン語、イタリア語、英語、ラテン語といろんな言語が出てきて、改めて枢機卿が教会組織の中でもエリート層であり、教皇になる人というのは、人格含め本当にスゴイエリートなんだなと改めて思い知らされた。ベネディクト16世もピアノ弾いたりとか、音楽にも造詣深くて、まさに生き方に関しても選択肢が多いくらいなんでも出来る人なんだなと。だからこそあれだけの信者を抱える教会組織のトップに君臨できるのだなあと思った。


 教皇の地位というのは終身制にもかかわらず、ベネディクト16世は700年ぶりの生前退位をしたという意味ではまた歴史に残る教皇だし、フランシスコも初の南米(アルゼンチン)出身、しかもカトリックではなくイエズス会の出身という意味でまた歴史に名を残す教皇だと感じた。映画を見て、キリスト教についてちょっと勉強してみようかな、という気にさせられた。宗教が分かると、バチカンに行ったときにもまたきっと違った感動を味わうことができるんじゃないかなと思う。今、見ているドラマでもローマが出てきているので、映像ではなく、また実際に自分の目で見てみたいと、切に思う。そのためにも、歴史を勉強しておくと実際、目にしたときの感動もきっと大きくなるだろう。




stellaombra at 18:54|PermalinkComments(0)

2020年07月26日

(映画)クレージー・リッチ(原題:Crazy Rich Asians)

 前から気になっていた作品でいつか見ようと思っていた作品。Unextでたまたま見つけ、視聴開始。面白かった~。しかもMadonnaの「Material Girl」のカバーが使われていて、テンション上がる。マドンナのこの楽曲、お買い物する場面などでよく使われる曲で、私が大好きな映画「ブリジット・ジョーンズの日記シーズン1」でも使われている。


原題:Crazy Rich Asians
公開:2018
監督:ジョン・M・チュウ
脚本:ピーター・チアレッリ、アデル・リム
出演:
コンスタンス・ウー、ヘンリー・ゴールディング、ジェンマ・チャン、リサ・ルー、オークワフィナ、ハリー・シャム・ジュニア、ケン・チョン、ミシェル・ヨー
お薦め度:☆☆☆
ジャンル:ラブコメ
 https://warnerbros.co.jp/movies/detail.php?title_id=54615





 本作は同名の小説を映画化したもの。私が本作を見たいと思っていたのは、なんとなんと「ミシェル・ヨー」が出ているから。「SAYURI」や「グリーン・デスティニィ」で素敵だなと思っていた女優さんで間違いなく大女優さん。本作では母親役で登場しているので、彼女が観たくて。
 正直、彼女以外に関しては、誰一人として出ている俳優さんは知らなかった。


 映画としては、シンデレラストーリーなんだけど、私はヒロインであるレイチェルの選択に共感というよりは、ミシェル・ヨー演じる母親の決断に拍手かな。レイチェルはNY大学の経済学の教授という設定なので、ミシェル・ヨーに訴えるやり方もちょっと、「知識ひけらかし気味」で正直私的には、ちょっと、嫌悪感だった。もともとはケンブリッジに留学して法律を勉強していたとはいえ、結婚し家族のために、すぐ専業主婦になった女性に対し、そういったやり方はちょっと浅はかだなあと。

 結果的には、ミシェル・ヨー演じる母親の器が大きかったから、認めてもらえたようなものじゃないかな、と感じた。
 
 まあそんなストーリーはさておき、本作の中で使われているマドンナのマテリアルガールのカバー曲!!聴くとやっぱりテンション上がる。4連休も家でお籠りになった憂鬱な気分を見事に吹き飛ばしてくれた。ということで、本作はストーリーよりも、劇中で使われている音楽が良かったので◎。

 Material girl ( official MV)

 

 劇中で使われていた同曲のカバー

 


stellaombra at 04:12|PermalinkComments(0)

(映画)9人の翻訳家 囚われたベストセラー(原題:Les traducteurs)

 久々に見た韓流映画以外。最近韓流ドラマを見ても韓流映画を見ても面白いと思えなくなってきて、ちょいスランプ気味なので、敢えて4連休は韓流以外を鑑賞。4本見て、2本は途中離脱しちゃって、残り2本のミニシアター系が面白くて大ヒット。
 この作品は、映像翻訳の勉強のために通っている学校で紹介された作品で、原語はフランス語。

原題:Les traducteurs
公開:2019年(フランス・ベルギー)
監督:レジス・ロワンサル
脚本:レジス・ロワンサル、ダニエル・プレスリー、ロマン・コンパン
出演:ランベール・ウィルソン、オルガ・キュリレンコ、アレックス・ロウザー
お薦め度:☆☆☆☆
ジャンル:サスペンススリラー
字幕翻訳:原田りえ

 https://gaga.ne.jp/9honyakuka/




 実はフランス語は挨拶程度しかわからないので、ほぼ字幕に頼ってみたけど、すごく映画の世界に引き込まれた。その意味では、字幕はほんとよく出来ている作品だと思う。(逆に分からないがゆえに、そう思う部分もあるのかもしれないけど・・・)

 ストーリーも興味深くて、ダン・ブラウン(「ダヴィンチ・コード」)作家の作品の映画化もされた世界的ベストセラー「インフェルノ」の出版秘話から生まれたミステリー。情報漏えいを防ぐため各国の翻訳家たちを完全に地下に閉じ込めて、携帯も使えず、SNSもインターネットも使えない環境で翻訳させたという実話を題材に、発売前の小説の流出危機が描いた映画で、最後の最後までどんでん返しの連続で、興味を途切れさせない作りになっている。

 もちろん、「インフェルノ」や「ダヴィンチ・コード」等と比べると、どうしても華やかさや派手さにはかけ、ああ面白かった!!!という感じではないけど、本作はもっと文学的な映画って感じでまさにミニシアター系。映画好きには堪らん、かつハリウッド映画のこれ見よがしのド派手さに飽きた人には、落ち着いて鑑賞出来ていい映画。

 しかも最後のメッセージ性もよくて、地下牢のようなところに閉じ込めて「翻訳させるために作品を書いたわけではない」と、黒子の翻訳家に対しても作家が敬意を払っているところが私的にはツボ。

 文芸翻訳は1日10ページでも大変で、それを1日20ページも翻訳するって相当神の域。ちなみにアジアの言語は、欧米の言語と全然文化も違うので、訳すのにもっともっと時間がかかるので、「インフェルノ」のときも日本語の訳者さんはこうした閉じ込めての作業ではなかった模様。


 翻訳にもいろんな仕事があるけど、改めて私がやっている「産業翻訳」って楽だなあ、と。もちろん、その業界の経験がない人には大変でしかないけど、その業務を実際にやっている人にとってみれば、実際に翻訳家でその業界やその仕事の経験がない人よりは遥かに誤訳せず訳せる仕事だし、すんなりなじむことができる。

 改めて、「翻訳」」という仕事について考えさせられた映画だった。
ちなみに、この映画の9人の翻訳家さんは皆さん母国語以外のフランス語ペラペラ話しているけど、実際翻訳家さんが通訳並みに話せるのは、かなり上級の翻訳家さんのみですよ。駆け出しのころは、訓練ちゃんと受けないと、逐次通訳も満足にできないのが普通です。


 




stellaombra at 03:47|PermalinkComments(0)